――放課後。

掃除当番で割り当てられた空き教室に来たものの…、



「掃除する必要なくね?」


「帰るか」


「ねー、カラオケ行こうよ」


「行こ行こ」


「城井さんも、帰ろー?」



「…あ……うん…」



あまり汚れていない教室を見て、そう言い出した同じ掃除グループのクラスメートたち。

掃除なんて、ギャルや男子…派手な子たちにとっては、面倒くさいだけなのだろう。


私も一応、声を掛けてもらったけれど…

根が真面目な所為か、そのまま帰るなんてこと出来なくて。



私一人しかいなくなった空き教室。

軽く溜息を吐いて、箒を手に取った。


────……