乙女系王子様

しっかりご飯を食べて、ゆっくりお風呂に入って、少しだけ疲れが取れた気がした。

よしっ!復習、やるぞー!

両手でほっぺたをパチパチと軽く叩き、気合いを入れる。


「えーと…古文…辞書どこやったかなー…」


がさごそと辞書を探していた手が止まる。


視線の先にあるのは、オルゴールの小箱。

そっと手に取り、蓋を開ける。


~~~♪


流れてくる懐かしいメロディ。

ポロンポロンと優しい音色。


「ピアス…」


中には、王冠モチーフのピアスが、ひとつ。

転入手続きをした日に拾った、──おそらく王子の、ピアス。