乙女系王子様

7歳年上の貴之(たかゆき)お兄ちゃん。

年が離れているからか、私に甘い。
メロメロである。
お父さんよりも甘いんじゃないかな。

そう──…シスコンだ(本人も自覚しているらしい)。

制服のまま寝ていたことで怒られる。
皺になるだのなんだのかんだの…まるで主婦のようだ。


「ほら、いいから早く着替える。もう夕飯出来てるからな」


「はーい」


「早く降りてこいよ。寝るんじゃないぞ?」


そう言って部屋を出ていくお兄ちゃん。

いつまでたっても子供扱いだ。


──…ああ、そうか。

王子は、お兄ちゃんに、似ているのかも…しれない。


ゆるゆると寝起きの頭でそんなことを考えた。