「ただいまー…」


テスト勉強に、ほっぺちゅーの件に…いろいろ頭を悩ませたからか、今日はすごく疲れた。


2階の自分の部屋に着くと、着替えずに制服のままベッドへ倒れ込んだ。

寝ちゃ……ダメ。

ダメだけど……眠い。


────…


「…め?──…ひめのー?」


コン、コンッ


誰かがドアをノックしている。

ゆっくりと意識が微睡みから浮き上がっていく。


「ひーめー?」


ガチャ──…


「姫乃?…あっ、コラ!制服のままで寝るなっ!」


「──わあっ!?…あ…お兄ちゃん……ごめんなさい」


返事をしない私に痺れを切らしたのか、部屋に入って来たのは、お兄ちゃんだった。