「奈留になんかされた?」


「──ッ!?…な、ななななんかって…べ…別に…なな何もっ!?」


「ぷっ」


どもりすぎ、と笑われた。


うぅ…恥ずかしい。

恥ずかしさに両手で頬を押さえる。


「気にしないほうがいいんじゃない?」


今はテストのことだけ考えれば?とアドバイスをいただいた。


たしかに──そうだよね。

スキンシップ好きな王子だし…王子は普通だし…何とも思ってないみたいだし…うん…うん。


「どうしたの二人とも。アタシに隠れて内緒話ー?」


こそこそと小さな声で拓真くんと話していたのだが、それに気付いた王子が側に来た。


「ウゼェ」


「…拓真。アンタ、本当にアタシのこと嫌いよね」


「何言ってんの大好きに決まってんじゃん」


「棒読みじゃない!ムカつくわねェ」


この二人は、相変わらずである。