「──じゃあ……正解した、ご褒美、ね」


「……ほぇ?」


すっ、と顎に手が添えられて王子の方を向かされる。

王子の綺麗な蒼い瞳と視線が交わったかと思ったら──…


──チュッ


「……へ…っ…?」


キス、された。頬に。


「よく出来ました」


語尾にハートマークが付きそうなくらいにっこりと、ご機嫌に言われて。


「え…え…ええええーッ!?」


真っ赤になって叫ぶ、私。

そして、司書さんに怒られる。


「そこ!静かに!」


「あ、ごめんなさいっ……じゃ、なくてー!?」


「ふふっ」


王子……い…今…っ…ほっぺに──!?


それからのことは、よく覚えていない。


王子は笑っていた気がする…から、やっぱりまたからかわれたのかなぁ…?


しばらく、胸のドキドキが治りませんでした。



( 図書室 end )