それから…数分経っただろうか。
私は、まだ王子の横顔を見つめていた。

すると、私の視線に気付いたのか王子がこっちを向いた。


「──ん?……姫?出来たの?」


「あ…う、うん」


「声、掛けれくれればよかったのに」


「えと…なんと、なく…」


「?」


答え合わせをするのは王子の役目みたいになっていた。

のそのそと問題集を王子のほうに差し出す。


「……ど、どうかな」


「──…うん…全問正解よ」


「わ、やったー!」


全部赤マルだ。嬉しい。

別にテストでも何でもないのに、すごく嬉しい。