王子から視線をそらしてノートを睨むけど、何も頭に入ってこない。


「要は暗記だから…あんまり助けてあげられないのよねェ」


「うう……」


やっぱり、そうだよね。


「でも、流れとかは説明してあげれるし、うまく組み合わせれば覚えやすいわよ」


そう言って、王子は流れを解説してくれた。


「これは──…、で、だから──……こうなったの」


本当に王子は人に教えるのがうまい。先生に向いていると思う。

理解出来なかった片仮名に、少しだけ…近づけたような気がした。


「な、なるほどっ!整理出来たかも!」


「そう?よかった」


理解出来た、と言えばまたよしよしと頭を撫でられる。


嬉しいんだけど…

慣れてきたけど…


やっぱり恥ずかしくて、俯く。