問3は王子の解説ですんなり解けた。

その後、拓真くんは──…
少し離れたところに移動して問題集を解いていた。

おそらく先程のことが原因であろう。

そして王子はというと、私の前に座っていた。

王子が問題集をのぞき込むようにして顔を近づけているので、その距離の近さに、ドキドキする。


「…ん?なぁに?」


「っ…ううん!何でもないっ」


優しく微笑む王子と目が合って、慌てて下を向いて問題を解く。


集中…出来ない…!


見られているというプレッシャーもあって、なかなか問題を解くことが出来なかった、が…なんとか頑張った。


「あ……合ってる?」


王子に答え合わせをしてもらう。


「ええ。全問、正解よ」


「わ、ホント?やったぁ!」


えらいえらい、と王子に頭を撫でられる。

まだ恥ずかしさはあるものの、大人しくされるがままになっている私。


とりあえず、もう数学は大丈夫だろう。

王子のおかげ。