「解んないねー…」


未だに解らずに、教科書とにらめっこしていた私達。

これは王子を呼んで聞いた方がいいかなと思っていると──…、


「どうしたの?」


「…あ、王子…?」


王子が戻ってきた。


……なんで拓真くんは頭を押さえられているんだろう?


王子の右手は拓真くんの後頭部にあって、拓真くんは机に頭を押しつけられているような体勢になっていた。


「テメッ…なに、しやがる…ッ」


「別に。で?解らないトコでもあったの?」


そんなに強く押さえられているのか、王子の腕を掴んで、ぐぐぐっと必死に押し返している拓真くん。

そんなことはお構いなしにニコニコと笑顔で聞いてくる王子。


「……え…えっと…あの、ここ……問3」


「ああ…この応用問題ね。これはね──…」