「いいわよ。解らないトコがあるの?」


「うん」


「っていうか全部?」


「……アンタたちねェ…寝てばっかりだからでしょ!」


女の子たちの返答に呆れたように溜息をつく王子。

授業中、クラスの大半は寝ている。もちろん怒られるけど…寝ている。
(レベルがあまり高くない訳が分かったような気がした)


「はいはい。見てあげるから、準備してらっしゃい」


「はぁーい」


それでも面倒見の良い王子のことだ。
きっと解るまで教えてあげるのだろう。


「じゃあ、ちょっと向こう見てくるから、この問題まで解いておいてね」


「うん、わかった」


「拓真もね」


「……………」


つーん、と顔を横に向けて、シカトである。

頬をひきつらせて何か言いたげな王子だったが、そのまま向こうの女子グループのところへ歩いて行った。