「──…で、こうなるの。だから、この公式を使うのよ」


「ふんふん。なるほど」


「…………」


王子の解説はとてもわかりやすかった。
公式さえわかれば、あとは計算するだけだ。


その計算も、ケアレアミスするんだよねぇ…落ち着いてやらなきゃ!


ちらりと隣を見れば、拓真くんもよくわかったのか、問題集をさくさく解き始めていた。

拓真くんはやれば出来る子なんだなぁと感心していると、何人かの女子がこちらにやって来た。


「おーじ、数学得意なのー?」


「ん?普通…かしらね。そこまで得意って訳でもないわよ」


「えー、嘘だぁー」


「私たちにも教えてよぉ」