「で、でもっ!王子が教えてくれるんでしょ…?」


私がそう言うと、王子はゆっくりと視線を上げて…目が合った。

そして――…

柔らかく微笑んで、


「……そう、ね。みっちり叩き込んであげるから――覚悟しなさい?」


無意識にまだ王子の手を掴んでいた私の右手の指を王子の綺麗な指に絡め捕られ、

そっと持ち上げられて――…


チュッ


指先にキスをされた。



「~~~ッ!?」


突然のことに、一瞬何が起こったのかわからなかったものの、すぐに羞恥心が込み上げて来て、シュバッ!と勢いよく手を引く。


「ふふっ、可愛い」


そんな私を見て可愛いなどと言ったあと、何も無かったかのように再びノートに向かう王子。


もしかして――…

また、からかわれた…?


心臓が飛び出しそうになることはやめて下サイ…!



( テスト前 end )