「お、そろそろ行かなきゃ」


「あんまり無理するんじゃないわよ?」


「ほほーい!」


「…大丈夫?」


ドアに向かって歩き出した海ちゃんに声を掛ける。


「んー?平気平気。暇だし。金欠だし。んじゃ、また明日ねーッ」


「うん、明日ねー」


海ちゃんが帰ったことで、教室にいるのは私と王子だけになった。


「姫は?帰らなくていいの?」


「うん。特に用事もないし。……テスト勉強は、明日から頑張るの」


明日から、を強調すれば、王子がクスッと笑った。


「拓真も明日からやる、って言って…全然やらないのよねェ」


「うっ…ッ!」


痛いところをつかれた。

その通りである。
明日から~と言ってぐだぐだして結局当日になるのだ。