乙女系王子様

「――お、王子…ッ!」


ガシッと王子の片手を両手で握り、潤んだ瞳で王子を見上げる。


た す け て く だ さ い 。


「…大丈夫よ?普通に授業を聞いてれば、赤点なんて取らないから」


よしよし、と王子が頭を優しく撫でてくれる。


えっ…ちゃんと聞いてても、わからないデスヨ…?
(世界史なんて特にすぐ忘れちゃうし)


「一緒に頑張りましょ?」


「うんっ!」


にこ、と笑いかけてくれる王子に私もつられて笑顔になる。


「頑張ってにゃーん」


いまだに机に足を乗せたままの海ちゃんが、やる気も興味もなさそうに言った。