「ねー?姫乃もテストなんて嫌だよね?」


「え?あ…うん。そだね」


ぽけーっと二人のやりとりを見ていた私は、いきなり話を振られて反応が遅れてしまった。

たしかに、テストは好きじゃないけど…でも早く帰れるし、そこまで嫌いじゃないかもしれない。


「仕方ないでしょ。勉強することが、お仕事なんだから」


「ハイハーイ。てか王子、何してるの?」


私も思った。
王子は何をしているんだろう?

ノートを纏めているみたいだけど…。


「拓真に、よ。山ちゃんに頼まれちゃってねェ…。アイツの成績の悪さにドン引きしたらしくて、なんとか赤点から救ってやれって」


「あはー…たっくん相変わらず…山ちゃんカワイソー」


納得したのか悟りを開いたような表情をする海ちゃんと、喋りながらも色ペンなどを使いながらノートを纏めていく王子。


……衝撃的なことを聞いてしまった。