コイツも、起きていたわけか。

はあ…と軽く溜息を吐く。



「寝たフリして盗み見なんて、ヤラシー」



「アンタもでしょ」



「お前が来るまでは寝てた」



「………」



お互い、真顔で黙ったまま見つめ合う。



しばらくして、拓真がフッと笑った。

これくらいで勘弁しといてやる、みたいな顔だ。



「まあ、いいや。オヤスミー」



「……オヤスミ」



ムカつく拓真から顔を背けて姫に視線をやれば、姫も寝ていた。


突っ伏せているので、顔は見えない。

しばらくその姿を眺めていたけど…



「…アタシも寝ようっと」




***


( ライバル end )