じいっと見つめる私を不審に思ったのか、首を傾げる王子。



「なあに?」



「へっ…あ、ううん、なんでもない。ありがとう」



「何が?」



お礼を言えば、きょとんとしてハテナマークを浮かべている王子。



「慰めてくれたでしょ?」



「……そう、なのかしら。お礼を言われるほどのことじゃないわよ」



と、照れたような笑顔で言う王子。



ほら……

やっぱり、優しい。