結局、あんまりボールに触れなかったし…本当に役立たずで終わったなぁ。



「よく頑張ったわね」



ぐるぐると暗い思考になっていた私の頭を、ぽんぽんと優しく叩かれた。


下を向いていた顔を上げれば、微笑みながら私の頭を撫で続ける王子がいた。



王子はいつも優しい笑顔だ。


それも、人を魅了する綺麗な微笑み。



――優しい人。


王子が怒ってる所なんて、今まで見たことない。



王子の真顔…


ちょっと…や、けっこう…気になる、かな。