体育(バスケ)の授業が終わりました。

自分の席について、ほあーっと息を吐く。


うー…疲れたぁ…



「姫?大丈夫?ボール追いかけて、すっごい走ってたものね」



クスクス笑いながら王子が、そう声を掛けてくれた。


王子が席を替わってくれてからは、横向きに座って王子のほうを向いてお喋りするというのが定番(?)になっていた。



「うえっ?そ…そんなこと…ない…よ…?」



尻すぼみになっていく言葉。


体育はあまり得意じゃない。


個人競技ならまだしも…


バスケは特に苦手だ。

パスを回してもらえることもなく、かといって突っ立っているのではそれこそ役立たずすぎるので、頑張って走ってボールを追いかける。

ガードに回るも、私の身長では手を精一杯伸ばしたところで意味がない。