着いた先は、カラオケ。
大部屋二部屋での歓迎会だ。

皆、適当に分かれて席に着く。


どうしようかな。


あれ?

海ちゃん達どこだろ…?



私はというと、部屋の前をうろうろしていた。

皆の手際の良さにすっかり出遅れた感じ。


高校生ってすごいなぁ…と思った瞬間でもある。


元々そんなにアクティブな性格ではないため、こんな風に大勢で遊ぶことは少なかった。



「ひーめっ?」



「わ…ッ!?」



ポン、と手を頭の上に乗せられて、びっくりする。

少し飛び上がったかもしれない。



見上げれば、逆さまの王子の顔が見えた。



「…王子…?」



「何してるの?主役がいなきゃ駄目じゃない」



「あー…、えっと、波に乗り遅れて…?」



よくわからないことを言ったからか、きょとんとした顔をする王子。



「波…?まあ、いいわ。……それより、」