しゃがんで、確かめてみる。

芝生をかき分けて探してみて見付けたのは――、



「…ピア、ス?」



そこに落ちていたのは、ガラス細工の綺麗なピアスだった。

王冠モチーフの素敵なデザイン。



多分、落としたのは王子様。


さっき囁かれたときに、私の肩にでも落ちたのかもしれない。


慌てて立ち上がるけれど、王子様はもう――…いなくて。



「どうしよう…」



手のひらに乗せたピアスをじっと見つめる。


放っても置けないので、大事に持っていることにした。



また、王子様に会えることを願って――…



***