「………」



「………」



王子様が私の方を向いて――…視線が絡まった。


お互い見つめ合ったまま、動かない。



ね…寝惚けてるの、かな?


逃げたい…けど、この状態から挨拶せずに回れ右は出来ない、よね…?



「こんにちは」



「――ッ!……こ…こんにち、わっ」



挨拶してくれたーっ!


どもってしまったのが恥ずかしい…逃げたい…うぅ…



王子様が起きて、伸びをする。



「んー…、よく寝た」



たしかに、気持ち良さそうに寝てたもんなぁ…

いつから寝てたんだろ。



そんな事を考える間も、私の視線は王子様から外せなかった。