また一瞬、金色が見えた気がしたので、ふさふさ繁った草木の植込みを掻き分けて歩く。



そこで――

見つけた、

芝生に寝ている、


王子様。



「――わ…あ、」



金色の髪の毛が時折そよそよと風になびく。


無防備な寝顔は格好良いけれど、どこか、可愛らしかった。



しばらく私は王子様を見つめていた。



「……………」



どれくらいの時間が過ぎたのか分からない。


そよぐ風だけが動いている。




――ふいに、王子様が身じろいだ。



「……ん…」



「――ッ!?」



目を擦りながら、ゆっくり起き上がる王子様。


私は……全身が凍ってしまったみたいに固まって、そこから動けなかった。