乙女系王子様

***


「そろそろ帰りましょうか」


「そうだな」


だいぶ人が減った道を、みんなで歩く。


「夏ももう終わりねェ…」


「そうだね」


「……………」


王子たちが何か話しているけど、内容は耳に入ってこず、ぼーっと3人の後ろ姿を見ていた。


ふと、振り向いた姫乃と目が合った。


「──…ッ…」


「? 海ちゃん…?」


「……ト……トイレ…ッ!」


思わず──…、


そう言って走り出した。