慌てて駆け寄ると、



「…しょうがない子ねェ」



ふわりと王子が微笑んで、優しく頭を撫でてくれた。



「……ッ…!」



…て…照れます。


お母さんみたいな言葉だけど、外見は王子だから、格好いいんだもん!



そう――…


本当に、王子様だと思ったの。


初めて王子を見たとき。



あれは、転入の手続きをしに来たときだった――…