夜の闇に花が咲く。

次々と打ち上がる花火。


鼓膜に響く音も、気持ちいい。


「綺麗だねぇ…」


「そうね」


花火は三千発あるらしい。

たまにニコニコマークとかキティちゃんとかがあって、すごく可愛い。


そんな花火も、もちろん綺麗だけど、やっぱり私は王子の横顔を見てしまう。


綺麗だなぁ…


「……どうしたの?」


ふと、流し目で視線を寄越された。


その色気にまた顔が熱くなる。


「な、ななななんでもないっ!」


慌てて空を見上げる。


……心臓に、悪い…