今度こそ、本当に歩き出す。


「………邪魔だな」


「へっ?」


「ん?なんでもないわ」


「???」


隣を歩く王子が、ポツリと何かを呟いた気がした。

にっこりと綺麗な笑顔に、はぐらかされる。

いつもこうだ。



そして――…、

列車が走り出す。


本当に、色々あったけど、すごく楽しかった。



まだまだ──夏は終わらない。



( またね end )