――次の日。

またミニバスで駅まで送ってもらう。


「あっという間だったわね…でも、楽しかった。また帰って来なさいよ」


「亜希……ありがとう」


わしゃわしゃと亜希に頭を撫でられた。


「……王子くんのこと、ちゃんと考えるように。ピアスも渡しなさい。話なら、いつでも聞くから」


こそっと言われ、顔が赤くなる。


「…う……うん…」


「あと…嵐のことは気にしなくていいわよ」


「………でも…」


嵐くんは、いない。

昨日のことがあったんだもん…やっぱり来てくれない…よね。


「じゃあ、王子くんたちも、またね」


「ええ、お世話になりました。また今度はこっちに遊びに来てね」


「ありがと」


じゃあね、と別れを告げて、改札へと歩き出す。