その行為に少し照れながらも、王子の小指に、そっと自分の小指を絡めた。


「……りんご飴、あるかな」


「あるわよ」


「金魚すくいとか…」


「やりましょうね」


小指を繋いだまま、やっぱり恥ずかしくて、ブンブンと上下に振りながら、どうでもいいことを言った。

だけど、優しく言葉を返してくれる王子。


「あとは──…」


言い掛けた、その時。

草むらがガサガサと動いて、声が聞こえた。


「ちょっ…押すなって」


「わっ!」


「あ、バカ…ッ!」


───ドサドサッ!


拓真くんと海ちゃんと亜希が……倒れてきた。