「姫乃」


「嵐くん?」


拓真くんは主役だし(?)と思って、私もささやかながら片付けを手伝っていると、嵐くんに声を掛けられた。


「ちょっと、いいか?」


「うん、いいよー」


二人で並んで少し歩く。

みんなのいる場所からはだいぶ離れて、話し声も聞こえない。


「嵐くん?どこ行くの?」


「いや……どこっつーか…まあ、この辺でいいか」


「??」



振り返った嵐くんの表情はよく見えなかったけど、なんだか真剣な視線を感じた。



「あのさ……俺…、


 姫乃が好きだ」



「────…え?」


今──なんて?


好き…?

私の、ことが…?


「……え……あの…」


思わず固まってしまう私。