乙女系王子様

「ふふっ。やっぱりいいわねェ…線香花火」


「そだね」


海ちゃんたちが他の花火をやり始めて、その花火の明かりと、ささやかな月明かりで照らされた王子の顔を見る。

やっぱり、昼間よりもこういう月明かりの下で見るほうが――王子は美しい。


「………姫?」


「──ハッ!?」


……見惚れてた。


「他のもやりましょ」


「うんっ」


差し出された王子の手を取って、立ち上がる。