乙女系王子様

「なに、最初に落ちた奴が片付けとか?」


「あら、拓真ってば落ち込んでる割に鋭いわねェ」


ふふん、と笑う王子。

……なるほど。
そういう、勝負か。


「はーい、じゃあ、行くわよ」


「ばっちこーい!」


王子の掛け声と共に、みんな一斉に火をつける。


「……………」


じりじり。


「………………」


じりじりじり。


「……なんで無言?」


「え、無言にならない?」


嵐くんがそう突っ込んだが、顔を上げずにそう答える亜希。


「…あ…そ」


それっきりまた静寂に包まれる。


「──あ」


一番最初に声を発したのは――…、拓真くんだった。