乙女系王子様

***


「あ、王子。おはよー。早いね」


朝、紅茶をいれていると王子が降りてきた。

亜希はジョギングへ行ったけど、海ちゃんはまだ寝ている。


「おはよう。アタシにも貰える?」


「うんっ。あ、あのね……」


王子に紅茶を淹れながら、昨日の夜に話し合ったことを話した。


「いいわねェ、失恋パーティー」


ふふっ、と楽しそうに笑う王子。


「ちょっとでも元気になってくれたらいいんだけど…」


「姫ったら…んもう、本当に良い子ねッ!ありがと」


「ふわあっ!?」


カップを渡そうとしたら、頭をくしゃくしゃと撫でられた。

……朝から心臓がバクバクします。