乙女系王子様

***


その日のバイトが終わってからも、拓真くんは元気がなかった。

なんとか慰めようとするものの…なんて言ったらいいのか、わからなくて……王子に任せきりだった。


「拓真くん…大丈夫かなぁ」


「たっくん?」


「どうかしたの?」


「えーと……なんていうか……その…」


夜の就寝前のおしゃべり。


三人でベッドをくっつけて、プチ修学旅行風にしてある。

亜希と海ちゃんが興味深そうに聞いてくる。


話してもいいものだろうか?

……ご…ごめん、拓真くん。


話します。



「──ぶっ!あははは!美咲ちゃん結婚してたんだー!たっくん可哀想ォー!あひゃひゃ!」


可哀想、と言いながら海ちゃんは大爆笑である。

あれ……王子も海ちゃんも、応援してあげてたんじゃ…?えっ…?あれぇ??