乙女系王子様

私も手を止めて美咲先生のほうを見る。

爽やかそうな長身の男性が、美咲先生の前の席に座ったところだった。


「…ね、ねえ……王子…も…もし、かして…?」


「もしかするわね……恋人かしら」


だよね…

ここで友達とかは…ないよね。
そうであって欲しいけど。


「──聞いてみましょうか」


「ええっ!?な、なに言ってるの!?」


聞くって──何を!?
や、わかってるけどさ!!

早速すたすたと歩いていく王子の後を、慌てて追った。


「先生~。こんにちはァ。偶然ですね」


「あら、若王子くん。こんにちは。ウェイター、似合ってるわね」


「ありがとうございます。ところで……先生?こちらは──?」


ちらりと男性を見る。
ニコニコと爽やかな笑顔で、とても感じが良い。