乙女系王子様

「ありがとう。それにしても……びっくりしたわ。こんなところで会うなんて。若王子くんと高橋さんもいるのね」


「先生はどーして?もしかして実家こっちのほうなの?」


「ふふ、そうなのよ」


ここは拓真くんに任せればいいかと思い、ほかの仕事へ回る。


拓真くん…
笑ってるし、楽しそう。

美咲先生のこと、本当に好きなんだなぁ…


「ちょっと!姫ッ!あそこにいるのって、美咲先生じゃない?」


「あ、うん!そうなの。びっくりしちゃった~」


洗い物をしていると、王子に声を掛けられた。

美咲先生に気付いたのだろう。


「ふぅん。それで拓真が──ねェ」


「ね、嬉しそうだよね」


「夏休みで会えないから──……あ、ら?」


ふいに、王子が戸惑う気配がした。


「……?どうしたの?」


「………待ち合わせでもしてたのかしら…男が来たわ」


「──ええっ!?」