乙女系王子様

じゃあさ、告白してよ」


「こくは──…はあッ!?」


頭を抱えたくなった。
どういう思考だ?

告白するかしないかは俺の問題だろ。


「王子とくっついちゃったら困るじゃない。だからー、今のうちに姫乃を振り向かせて手に入れてよね!」


「…おま……姫乃と友達じゃねーのかよ」


「友達だよ?それとこれとは別なの。女心は空よりも気高いのデスッ」


「……意味、わかんねぇ」


「とにかく!こっちにいる間に告白すること!ハイ、約束!返事!」


「……お…おう」


──半ば無理矢理約束させられたものの、たしかに俺も思っていることだった。

なんとかしなきゃ、まずい。

若王子の態度を見ていたら、わかる。
あいつもきっと姫乃に気があるはずだ。


最初に会ったときだって敵意剥き出しで、おもいっきり手を握られたし……あれは痛かった。

──…冗談じゃ、ない。


あんな性格悪ィ奴に姫乃は渡さねぇ。

一週間くらいこっちにいるっつってたか……その間になんとか、気持ちを伝えよう。


好きだって──言おう。



( side 嵐 end )