こっちに来て、三日目。
初めてのアルバイトも二日間が終わった。

たどたどしくも、なんとか無事にこなせていると思う。

……注文を間違えちゃったりも、するけど。


「なあ…アイツってなんなの?」


「……へっ?アイツ?」


休憩室で嵐くんに声を掛けられた。

王子や亜希たちはもうそれぞれ着替えに向かってしまったので、ここには嵐くんと二人きり。


「王子とかいう奴。あの口調…マジなの?ゲイなの?なんなの?」


「あぁ…王子かぁ…うーん」


苦笑する。


「なんかね、高校デビューらしいよ?」


「……はぁ!?あれが!?頭おかしーんじゃねぇの!?」


意味がわからないとでもいうような、そして何だか怯えた表情をする、嵐くん。

うーん…

そういうものなんだろうか…??