今度は私が首を傾げる。


「おまじ、ない?」


王子が指でちょんちょん、とおでこを指した。


「──…ッ…!」


おでこ…っ!

チューされたんだった…!

そのときの恥ずかしさが一気に蘇る。

たしかに緊張は解れたが、恥ずかしさと顔の赤さは半端なかった。


「また明日もしてあげましょうか?」


「い、いいいいいいっ!いらないっ!けっこうですー!」


「そう?いくらでもしてあげるのにィ」


「全力で遠慮しますっ!」


王子はくつくつと楽しそうに笑っている。


こういうときはお淑やかに笑わない王子が憎い。

いつもは、ふふって笑うのに!