無意識に繋いだ手に力が入る。


「……どうしたの?」


「…へっ?あ、ううん、なんでも…ない」


こっちを見た王子に、思い切り顔を背けて否定する。


「そう?──…バイト、大丈夫ね。ちょっと危なっかしいところもあるけど…安心したわ」


ふふっと楽しそうに笑って、そう言う王子。

…やはり危なっかしいようだ。


「──ありがとう」


王子が笑顔のまま無言で何が?とでもいうように首を傾げた。


「大丈夫って…言ってくれて。すっごく、緊張してたの」


「そうね。見てるアタシまで不安になったわァ」


大げさに溜息を吐く王子。


「う……」


「おまじないが──…効いたのかしらね?」