「…ずるいぃ…姫が……憎いわ」



「――に、憎い!?」



いきなり言われた言葉に、かなりビックリした。

いや、しないほうがおかしいだろう。


憎いって……

そこまで言われる程のこと、何かしたかなぁ…?



「えー、意味わかんなぁい。何が憎いの?姫乃の小ささ?可愛さ?」



「あぁ…それも憎いわね」



「つーか、憎いじゃなくて羨ましい、って言えよ。このバカが」



呆れた拓真くんが王子にチョップをくらわせた。



「――いっ…たァい!?」



それはもう、

すごい勢いで。
すごい音で。


ふわぁ…い…痛そ…



「うへぇ…たっくん容赦ねーな」



海ちゃんも王子に同情の眼差しを向けていた。