乙女系王子様

私の顔を覗き込んだ逆さまの王子と目が合う。


「もー…本当に、可愛いッ……──誰にも見せたくないくらいに、ね」


「え……?」


そして──…、

王子の顔が近づいてくる。



────チュッ



おでこに、チューされた。


「~~ッ!?」


「あ゙!?テメッ、何してやがるっ!」


「ふふっ、大丈夫よ。姫なら出来るわ。落ち着いて、転ばないようにね」


嵐くんが王子に突っ掛かろうとするが、サラリと交わして裏に消えた。


「~~~~ッ」


また──…助けてくれた。

初めてのバイトに対する緊張を取り除いてくれた。


でも…!

チューはいらないと思うの…!!