乙女系王子様

「若王子 奈留です。どうぞよろしく」


すっと王子が最初に前に出て、握手を求めて手を差し出した。


「…どーも。──ッ!?」


それに答えて握手をした嵐くん。

だが、いきなり顔を歪めて王子の手を振り払った。


「………?」


どうしたんだろう?

王子は相変わらずニコニコしている。
でも…なんだか楽しそうだ。

嵐くんが何かを言い掛けたところで、海ちゃんが、ばばーん!と登場(?)した。


「どうもー!海でーす」


「拓真でーす」


えっ…!?

拓真くんが笑ってる!?
テンションもなんだか高い!レアだ!


「……なんだか漫才コンビみたいな挨拶ね」


亜希が突っ込んだ。

それは私も思ったので、盛大に吹き出して笑ってしまった。