「夏休みだよ、夏休みぃ!」


いまだに鞄をブンブン振り回す海ちゃん。
試験で疲れた様子も見せず、パワーがあり余っているらしい。


「ハイハイ。わかったから鞄置きなさい」


王子が無理矢理鞄を掴んで手から離させた。

…意外と強引なのである。


「姫とたっくん、赤点大丈夫でしょ?王子に教えてもらったんだし、平均点くらい取れなきゃマジでヤバイって」


……うん。

そうだよね…これでもし赤点なんて取ったら王子に合わせる顔がない…ッ!


きっと、大丈夫。



( 夏目前 end )