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試験最終日。

今日が終われば、夏休みを待ちながら終業式までのんびり過ごせる。


「終ーわったーあ!」


「おい…鞄を振り回すな」


テンションが高い海ちゃんに、それを窘めるテンションの低い拓真くん。

……いいコンビである。


「姫。世界史はどうだった?」


「半分以上埋めれたの初めて!」


初めてなんだ…という海ちゃんの呟きと哀れみの視線を感じたけど、何もなかったことにした。