「うーわー。変態。エロ王子。アホ。卑猥。死ねばいいのに。へんた…ッ!?」


「出ていけ」


言いたい放題な拓真の顔面めがけて持ったままだったペットボトルを投げつけた。


「いってぇー…

──好きなの?本気で?」


「……………」


直撃した額を押さえてうだうだ唸っていたかと思えば、急に真剣味を帯びた声でそう聞いてきた。


「……好き、なんだと思う」


「──美沙よりも?」


「……ッ…!」



ミサ──…


彼女のことは、もう忘れたと思っていた…

だけど――その名前を聞くだけで、まだ胸が締め付けられるほど苦しい。


忘れ──…たいのに。



( side 王子 end )