期末試験――当日。


「ひーめ!おはよう」


一限目は英語の試験なので英語のノートと睨めっこしていると、後ろから声を掛けられた。


「おは、」


振り向こうと思ったら後ろから両腕を首に回されて、身動きがとれなくなった。


「…よ…ぅ…王子?」


そして顎を私の肩に乗せて、くすんと泣いた(もちろん泣き真似だけれど)。


「試験の間、席、離れちゃうのねェ…寂しいわ」


試験中は席が変わる。