「姫、おはよう」


「あらやだ寝癖?直してあげるから、じっとしてなさい」


「このネイルの色、可愛いわねェ。姫に似合うと思うわ」


「ひーめー。アタシ、お腹空いちゃったァ」




「……………」



転入して、一週間。

ようやく新しい生活にも慣れてきました。


そんな私は……、


何故か、王子様に構われています。


席が前後だから構いやすいのかもしれないけど…。



「シカト?シカトね?姫までアタシを邪魔者扱いするっていうの?」



「え?そんなんじゃ――」



「そうそう。迷惑だよ。お前みたいなデカくてウザい奴がいると邪魔で邪魔で」



私の言葉を遮って会話に入ってきたのは、拓真(たくま)くん。

王子の幼なじみの親友……えっと、悪友?の腐れ縁なんだとか。