乙女系王子様

「私の家、この公園からもう少しだよ」


「そうなの?……じゃあ、少しだけ寄り道、していかない?」


「へ?……う、うん」


王子…公園好きなのかな?


嬉しそうに前を歩く王子について公園に入っていく。

ブランコ、すべり台、鉄棒、シーソー、砂場……最低限の遊具しかない小さな公園。


「……懐かしいわ」


ブランコに近づいて、鎖を持ってゆらゆらと揺らしている王子。


「ね、乗ってみない?」


そう言って振り返った王子の表情は、楽しそうにキラキラ輝いていた。